バケツの水（みず）をさかさまにすると、ふつうは、水（みず）は全部（ぜんぶ）こぼれてしまいます。しかし、これをいきおいよくふりまわすと、中（なか）の水（みず）は落（お）ちてきません。
ふつう、水（みず）がこぼれるというのは、地球（ちきゅう）の重力（じゅうりょく）に水（みず）が引（ひ）っぱられているから起（お）こることです。これは、リンゴが木（き）から落（お）ちるときの力（ちから）と同（おな）じ力（ちから）です。しかし、バケツをふりまわすと、ここに遠心力（えんしんりょく）（えんしんりょく）という反対（はんたい）の力（ちから）が生（う）まれます。
この遠心力（えんしんりょく）という力（ちから）は、外（そと）に向（む）かって働（はたら）く力（ちから）のことです。たとえば、自転車（じてんしゃ）でカーブを曲（ま）がるときに、外側（そとがわ）に行（い）こうとする力（ちから）が働（はたら）くのを感（かん）じるはずです。このとき感（かん）じる力（ちから）とこの遠心力（えんしんりょく）は同（おな）じものなのです。バケツを勢（いきお）いよくふりまわすと、重力（じゅうりょく）よりも大（おお）きい遠心力（えんしんりょく）が働（はたら）きます。そのために水（みず）はこぼれ落（お）ちることなく、１回転（かいてん）してしまうというわけです。